今回は理学療法士の円満退職についてお伝えします。
この記事に来られた人は、現在の職場を辞めようと考えている人ですよね。退職するなら、できるだけ波風立てずに退職したい。
でもいろいろ不満もあるし、理由を聞かれたら上司であろうが思いっきり本音をぶちかましてやりたい。
どうすればいいんだろうと悩んでませんか?
科長とケンカして、窓際族に追いやられて退職した過去をもつゆういちです。
自分が去っても残る人のことを考えると、問題提起した方がいいのかもれいないけど、辞める人間だしそこまでする義理もないように思う。
いくら職場に不満があっても、辞めるときに恨みを買うのも人間ですから嫌ですよね。
その気持ちわかる!
めちゃくちゃわかる!
今回は円満退職を希望する理学療法士に、円満退職の秘訣をご紹介します。
知らないと裏で陰口をたたかれたり、悪評が広まったりする恐れがあるので注意が必要。
最後まで読めば円満退職の秘訣が理解できますので、ぜひ最後までお読みください。
理学療法士は円満退職するべき理由は業界の狭さ
今回のテーマは「円満退職」。どの業界でもそうかもしれないけど、理学療法士は円満退職を目指すべき。
なぜなら、リハビリ業界は狭すぎるから。
たまたま知り合った理学療法士が同僚の同級生だったり、同じ学校の後輩だったり。そんなことがめちゃくちゃあるやないですか。
この前知り合った理学療法士は嫁さんの1つ下の後輩でびっくりした。
こういうのはよくあるよね。
以前働いていた病院でこんなことがあった。
後輩理学療法士が辞めていくときに「またどこかで一緒に働くかもしれないので、よろしくお願いします」と挨拶した。
聞いたときには変な奴やなぁって思ったけど、実際またどこかで一緒に働く可能性は十分ある。
この世界は狭い。これは作業療法士や言語聴覚士、看護師でも一緒。だから悪評はできるだけ広がらせない方がいい。
誰かどこかで、知ってる誰かとつながっていて、自分の悪口をいわれるかわからない。もしかしたら転職時の足かせになるかもしれないからね。
ただ、ここでもうひとつ大事なことがある。それは理学療法士は円満退職できることが少ないってこと。
だって医療や介護業界では法令や就業規則無視のブラック職場が多いから。
代表的なのでいうと、退職日を勝手に延期されたり、有給消化をさせてもらえなかったり。
「あなたの代わりを連れてくるまでは辞めさせない」なんてひどいケースもけっこうある。
平穏に退職するとは険しい道なのだ。立つ鳥跡を濁さずでいきたいところなんだけど、それがなかなか難しい。
理学療法士が退職時に覚悟すべきこと
ブラックな職場が多い医療・介護業界で、退職時に覚悟すべき3つのマイナスポイントがある。
- 上司や同僚との人間関係の悪化
- ボーナス(賞与)の査定が下げられる
- 重要な仕事や特定の患者さんの治療から外される
退職を伝えた日から、あなたはもう他人。そんな感じ。
悲しいけど、これが現実なんよね。
上司にしてみれば、退職を伝えた日からあなたはもう去っていく人。
いつかは他人になるのだから、他人になる人に時間を割いたり、厚遇したりする必要はまったくない。
ボーナスの査定は退職を理由に下がることは、本当はあってはいけないけど、査定する人も人間だから。
これからもその職場のためにがんばっていく人と去る人なら、やっぱり残る人にお金をあげると思う。
特に力を入れてた患者さんの担当から外されてた子もいてたなぁ。
あからさまに報復行為。でもこれが退職するってこと。
理学療法士が転職するタイミングについてはこちらで詳しく解説してるので、時間があるときに読んでみて。
理学療法士の円満退職のための4つのコツ
だったら理学療法士が円満退職するにはどうすればいいのか?
そのコツは4つあります。
- 退職理由は本音をぶつけず包み隠して伝える
- 退職日までいまの2倍以上の気合で働く
- 次の職場は表向きは決まっていないことにする
- 退職するタイミングは後のことも考えて慎重に
退職理由は本音をぶつけず包み隠して伝える
理学療法士が退職する理由はいろいろある。
- 新しいことに挑戦したい
- 給料がもっと欲しい
- 人間関係が嫌で辞めたい
- 知人が立ち上げた事業所への引き抜き
- 環境の変化(結婚、夫の転勤、親の介護など)
- 妊娠・出産
でもよく考えてみて。環境の変化や妊娠・出産を除けば、すべてその職場でやりたいことが実現できなかったり、不満があるから辞めるってことでしょ?
「新しいことに挑戦」も裏を返せば、ここではできないから辞めるってことだから。
だから退職時に上司に「ここは給料が安いからよそに行きます!!」ってはっきりいいたいところ。
だけど・・・。だけどね、そこをちょっと我慢して。
もう一回確認しておこう。今回のテーマは円満退職。
狭い業界で悪い噂が立たないように、円満退職する話をあなたは読んでいる。
だったら、わかるよね?そんなわがまま放題をぶつけたり、悪態をついてええことなんてなにもない。
不満をぶつけたい気持ちもわかる。文句もいいたいよね。ここで不満をぶつけて解消されるならいいし、不満が解消されて働き続けられるのがベスト。
でもそんなに簡単に変わるくらいなら、おそらくあなたが退職を決意するまで追い込まれることはなかったと思うよ。
不平不満は胸にしまって。もし何かいいたくても、やんわりというくらいにしよう。
どうせあなたと上司の関係はそのうち終わるし、文句をいっても何も始まらない。
なんやかんや退職理由はあっていいけど、ネガティブじゃなくポジティブに考えましょう!
退職日までいまの2倍以上の気合で働く
退職する旨を上司に告げると、あなたは他人のように扱われることがある。
「そんなことあるかなぁ」と疑問に思ったあなた!
これ私です・・。
以前勤めていた病院で、半年後に退職希望を出したら、すぐに関連施設に左遷された上に、悪い噂を流された。
普通に仕事をしていたつもりだったけど、「あいつは辞めるからやる気がない」と、辞めるとなったら手のひらを返して悪人扱いされた。
だから退職を決めたあなたがやるべきことはただひとつ。
文句がつけれないくらい必死に働く。
これしかない。
いままで通り働いてたらダメ。退職希望を上司に出した時点で、3割か4割引きで評価されると考えよう。
もちろんこれは上司やあなたの職場での存在価値次第ともいえる。いずれにせよ、悪いレッテルを貼られないように注意しよう。
退職するタイミングは後のことも考えて慎重に
理学療法士が退職するにはタイミングが大事っていわれてる。
このタイミングには私たち雇用者のタイミングと、雇う側(病院、介護施設、事業所など)のタイミングもある。
円満退職を目指すには両方のタイミングを考慮しよう。
基本的な退職の流れはざっとこんな感じ。
この頃、退職を決意。それと同時に次の職場を探し始める。
ただし退職を決意したことも、次の職場を探していることも、同僚には絶対気づかれちゃダメ。
退職の意向を所属長に伝える。(事務長の場合もあり)
円満退職のためには、いきなり退職願を出すのではなく、退職したいと相談する機会をもつ。いきなり退職願を出すと「俺、辞めるからヨロシク!」って宣言してる感じになってしまう。
そこには職場や所属長へのリスペクトははない。実際ないかもしれんけど、そこはちょっとだけ大人になってね。
申し出た場で、退職したい理由と退職希望日を伝え、あらためて退職願を出すのがベスト。
担当患者さんや仕事の引き継ぎをする。
この間の仕事はさっき話したけど、2倍がんばって働かないとやる気がないように見られるので注意。
そしてこの間に有給消化をする。
所属先から貸与されている制服や名札は返却する。
あと各部署へのあいさつ周りも忘れずに。
保険証を返却する。
勤務最終日か退職日に、菓子折りを自部署に持って行こう。
高価なものじゃなくてもいいから、あくまで気持ちを示すこと。
この流れでいうと、自分にとって大事なタイミングはもちろん退職日。
それはわかるよね?
じゃあ雇う側もまったく同じかといえばそうじゃない。
雇う側としては、辞められるタイミングもそうだけど、退職届を出すタイミングも大事なんだよね。
退職を伝えるタイミングは早い方がいいよな?
早い方がいいけど、そのたりは法律と常識とその後の仕事のバランスかな。
法律と常識と仕事のバランス?
民法にはこのような文言がある。
労働者からの申し出によって労働契約を終了することを退職といいます。退職
はその意思表示から2週間で効力を生じることになります(民法第627条第1項)。
つまり法律では最悪2週間前に退職の意思表示をすればいいとされています。(※無期契約の場合)
就業規則には1ヶ月前とか、3ヶ月前って書かれていることが多い。その場合でも、民法優先。だから法律的には2週間前でOK。
でもそんな直前に伝えたらもめます。確実に。
実際もめたのを後輩が退職するときにこんなことがありました。
以前勤めていた病院の後輩が、上司に退職することを切り出してきた。そしてなんと退職希望日は2週間後。
上司は激怒して、就業規則を盾にして認めようとしなかった。
でも後輩が一枚上手で、労働基準監督署に先に相談して、民法の存在を確認してた。
結局事務長が中に入って話し合おうとしたけど、後輩は民法を主張して折れずに2週間後に退職した。
しかも2週間は有給消化でほとんど出勤しなかったから、引き継ぎもできず。
いくらなんでもやりすぎやと思った。
この先悪評がつきまといそうやね。
じゃあどれくらい前にいえば、世間一般の常識としては3ヶ月前に退職する旨を告げる。
それ以上早すぎると、退職まで居づらくなるし、逆に遅くなっても迷惑がかかる。職場としても3ヶ月あれば、人員を募集して補充できる可能性が高いしね。
ちなみに理学療法士が4月と9月は人が動くといわれている。
だからその3ヶ月前だと自分も就活しやすいし、職場にとっても新しい人を雇いやすいからいいかもね。
主任や副主任などの役職についている場合は、もう少し早く退職を伝える方がいい。
役職には他の人より職場での役割がある。
役割が大きければ大きいほど、引き継ぎや後任を育てるのが大変だから。
次の職場は表向きは決まっていないことにする
これは退職後、次の職場が決まっているかどうかって話ね。
結論からいうと決まっていてもいなくても、決まっていないように話をするのが大事。
リハビリテーションの長(部長や科長)は頭がかたい奴が多いやん。
すでに転職先と話をして、いつから勤務しますって決まっていたらヘソを曲げられるから。
これも昔の私です。
あんたはもめごとおこしてばっかりやなぁww
実際は決まっててもいい。
次の職場にも迷惑がかかるから、「いつから勤務を開始する」ってだいたい決めておいた方がいい。
でも次の職場での勤務開始日の確定は、あくまで退職届が受理されて、退職日が決まってからにした方がいいね。
先に決めちゃダメ。まして、それを退職の意向を伝えるときに上司に伝えるなんて超NG。
「次の職場は退職日が決まり次第探します」と伝えよう。
しつこいようだけど、これは円満退職のコツを書いている記事。
難しい円満退職を成し遂げるために、あなたがどれだけ羊の皮をかぶった狼になれるか。
そのために必要な方法だからね。
ただし退職をすんなり認めてくれなさそうな、ブラックな職場ではこの方法はおすすめしない。
次の職場が決まってないのをいいことに、退職日をズルズル伸ばす可能性があるから。
「○月△日で退職させてください」と伝えた方がいいかも。このあたりはあなたの職場次第だね。
理学療法士の退職時のよくあるトラブル回避方法
理学療法士がいくら円満退職を目指しても、退職時のトラブルはつきもの。
というか、医療や介護の現場では法律無視のブラックな職場が多い。
だから、退職トラブルに巻き込まれることも想定しておいた方がいい。
よくある退職トラブルとその対象を書いておく。
- 退職時に有給消化さえてもらえない
- なんやかんや理由をつけて引き止め工作
- 職場が退職を容認しない
理学療法士は退職時に有給消化できる
退職時に一番気になるのは残っている有給休暇のこと。
自分が働いて得た権利だし、残っている有給休暇を消化してから辞めたいのが本音。
なんどもいうけど、医療・介護業界はブラックだから、有給消化をさせない職場もいまだに存在する。
でも大丈夫。有給休暇を使うことは厚生労働省も認めています。
使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、その労働者に不利益な
取扱いをしないようにしなければなりません(労働基準法附則第136条)。不利益な取扱いとは、賃金の減額など、年次有給休暇の取得を抑制するような全ての取
扱いが含まれます。
これは退職時にも当てはまるので、有給休暇を使い切って辞めることには何の問題もない。
もし有給消化を断れたら近くの労働基準監督署に相談しよう。
円満退職を目指すという視点では、まとめて一気に有給消化すると迷惑になるなら避けるべきかも。
マンパワーや勤務シフトを考慮して、少しずつ有給休暇を消化していく方が迷惑はかからないのでおすすめ。
引き止め工作には応じられる範囲でのみ応じる
理学療法士が退職の意向を告げると、「もう少し働いてみない?」と引き止められることがあります。
引き止め自体は悪いことじゃない。
所属先にとってあなたが必要だといってくれているのだから。
でもね、退職を伝えている時点でその職場にあなたは満足できていないわけ。職場は大きく変わることはないから、いまさら優しい顔をされてもね。
それに引き止めも、売上が下がる(保険点数が稼げない)から困るだけかもしれないでしょ?
「(売上が下がるから)もう少し働いてみない?」だったら、残る意味ないし。
あと新しい職場が決まっている場合は、新しい職場の勤務開始日との兼ね合いもある。
新しい職場だって人が足りてないからあなたの採用を決めたのだ。だから入職予定日が延期になるのは困るはず。
そう考えると引き止めには可能な範囲で応じればいい。
あんまり延ばし延ばしにするとロクなことはないよ。
引き止め理由に「後任が入るまで」「後任が育つまで」というのがある。
ここまで育ててきてやったのに、後ろ足で砂をかけるマネをしやがって、せめて次のことを考えろってこと。
でもこれは経営者や運営側の問題ね。
余裕をもって退職を伝えたら、あとはそっちが考えること。
次の人が入職するまで待つ意味なんてないですよ。
職場が退職を容認しない
退職を職場が容認しない悪どいケースもある。
職場が容認しないケースとは、文字とおり退職を願い出たにもかかわらず聞いてもらえない。
上司が退職の意向を伝えてるのに聞き流されたり、話す機会をのらりくらかわして聞き入れれないようにしたり。
いろんな方法がある。
こんなんあかんよなぁ。
もちろん。普通の会社やったら大ごとになるで。
ここまで円満退職がおすすめと書いてきたけど、これはあかん。
こんなときは、事務長など人事を担当する部署の人に相談してみよう。それでもダメなら職場ぐるみの悪事なので、労働基準監督署に相談すること。
あと退職日は希望を聞いてもらえないこともある。
就業規則や雇用契約書に書かれている内容を守って、「○ヶ月前(△△日前)」に退職する旨を伝えればそれが尊重されるべき。
でもこれはこちらの意向であり、円満退職を希望するなら職場との要相談ってことになる。
こちらは筋を通して「○ヶ月前(△△日前)」に退職する旨を伝えよう。
そして可能な限り職場の意向も聞きながら、間をとって退職日を決めるのがよい。
退職日があまりにも延ばし延ばしになるのはいただけないので、上で書いたように引き止めには応じられる範囲で応じればよい。
まとめ
理学療法士の円満退職について書いてきた。
長くなったので最後に大事なことをふたつおさらい。。
- 基本的には円満退職は難しいと思って挑む。
- 狭い世界なので辞めた後のつながりや評判も意識する。
円満退職なんて難しい。
でも理学療法士は狭い世界で仕事をしているので、悪評が広まることは避けたい。
折れるところは折れて、希望はできるだけ通す。
辞める理由はいろいろあると思うけど、退職まではその職場から給料をもらうのだから、それまでは我慢しよ。
笑顔で最終日を迎えられるように、あなたの無事を祈っています。