退職願の書き方って難しいよね?
書き方もわからないし、誰に、どんなタイミングで渡せばいいかもわからない。
退職は何度も経験することじゃないからね。
そこで今回は理学療法士の退職時の疑問のひとつ退職願について解説する。
転職しすぎて退職願がすらすら書けるようになってしまったゆういちです。
先に退職に悩むあなたへ、声を大にしていうとくぞ。
「理学療法士の退職はややこしい!」
なぜなら理学療法士の職場は、一般的な会社と違って独自のルールがたくさんあるから。
「法律?なにそれ?」
「就業規則?そんなの知りませ~ん」
本当にブラックな病院や事業所がまだまだ多い。
コメディカルには円満退職なんてないといつも思ってる。
円満退職の難しさはこちらに書いてるので、また時間があったら読んでね。
退職時はいろいろ面倒なことやわからないことが多いけど、その中でも退職願をどうすればいいかわからない人は多い。
何回も転職したけど、いつも書き方を調べてるわ。
慣れるくらい人生で転職を経験するもんじゃないからなぁ。
退職願を出すタイミングや書き方は難しいので、今回は理学療法士にとって必要なことをやさしく解説する。
ちなみに理学療法士が書いてるけど、作業療法士や言語聴覚士、看護師、介護福祉士、ケアマネでも、医療や福祉に関わる人も同じだから参考になる。
知らないといろいろトラブルに巻き込まれる可能性があるから、最後まで読んでみて。
退職願と退職届、辞表の違いは?理学療法士が出すのはほとんど退職願
今回は退職願について解説するんだけど、退職届と混同してる人はいない?
普通の理学療法士が出すなら退職願なんだけど、その理由もちゃんとわかってる?
このへんは何度も転職した私でもよくわかってない。
医療業界は適当やから、退職願なしでも辞めれるもんね。
まず退職届と退職願の違いをざっくりと解説しよう。
- 「辞めます」と宣言する書類
- 受理された時点で即退職
- 撤回できない
- 「辞めたいんですけど・・」と職場に退職の意志を伝える書類
- 認められるまでは退職できない
- 心変わりしたら、職場が承認するまでは撤回できる
さっき「普通は理学療法士が出すなら退職願」と書いたけど、これを見たらなんとなくわかったんじゃない?
退職届は「こんな病院、いますぐ辞めたるわ!!!」って感じ。
退職届は提出→受理→即退職。
一方、退職願はあくまでお伺いを立てるだけ。「どうですかね?」って感じ。
退職願を出して職場に承認されてやっと退職することが決まり、さらに退職日まで働くことになる。
理学療法士の仕事を考えると、退職時には患者さんや利用者さんの引き継ぎが絶対必要。
だから退職届提出→受理→即退職なんて流れはありえない。そう考えると、理学療法士が出すのは退職願なんだって理解できる。
あとよく耳にするやつでは辞表もあるよね。辞表は役員が辞めるときに使うやつね。あと公務員も。
だから民間の病院や介護施設、事業所で普通に勤めている人は使わないから忘れてもいいよ。
理学療法士の退職願のテンプレート
退職願は文章が難しい。
何回も書くもんじゃないからすらすら書けるものじゃないし。
書くときの参考になるようにテンプレートを例示しとくね。
退職願は手書きで書くものだから、ダウンロードできるようにはしてないよ。
これを見て自分の字で書こう。
理学療法士は退職願を所属長に提出する
理学療法士は退職願を所属長に提出しよう。
所属しているのがリハビリテーション部なら部長、リハビリテーション科(課)なら科長(課長)ね。
たまに人事担当のえらいさん(事務長や人事部長が多い)に出す職場もあるので、このあたりはそれとなく先輩に確認を。
退職願は「辞めたいです」って伝えるときに出すの?
いきなり出すともめる原因になるわ。
退職願をいきなり出されて、喜ぶ所属長はいません。あなたが職場で重要な役割をしているのであればなおさらです。
まずは一度所属長と話す機会をもってから。
そのときに退職希望日を伝え、退職願を出すようにしよう。
理学療法士として働くあなたは無期雇用?それとも有期雇用?
退職願を出すなら知っておくべきことがもうひとつある。
それは無期雇用と有期雇用。
なぜなら、無期雇用か有期雇用かで、退職願を出して辞められるまでの期間が違うから。
これまで理学療法士に多かったのは無期雇用。
そして最近増えてきた有期雇用。
無期雇用と有期雇用の違いは、文字通り雇用の期間が有るか無いか。
- 定年まで働く無期雇用(期間が定められていない)
- 有期雇用(半年、1年など期間が定められている)
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護師もそう。昔の病院ではほぼ無期雇用だった。
っていうか、病院は口約束で入職するから契約書もなかったんやけどね。
それが、社会保険に入って表向きは正社員に見えるけど、1年ごとに契約を交わしている有期雇用が医療従事者にも増えてきた。
有期雇用って契約社員やんね?
普通の会社やとそうやけど、医療人はその感覚はないね。
これがなぜ重要かは厚生労働省の資料を見ればわかる。
退職の申し出にあたっては、契約期間の定めがある労働契約を結んでいた場合と、そうでない場合とで法律上異なったルールが定められています。
だからまずあなたが無期雇用か有期雇用を確認する必要がある。
もし毎年人事担当に呼ばれて、契約書にサインして印鑑を押しているなら有期雇用。
逆にそんなん知らんっていうなら無期雇用。
あなたはどっちかな?
無期雇用の理学療法士は退職願を出せば2週間後には辞められる
無期雇用、いわゆる正社員の場合、最短2週間前に退職する旨を申し出れば辞められる。
退職する旨とはつまり退職願を出すことね。
民法によれば、期間の定めのない契約はいつでも解約の申入れをすることができ、「雇用は、解約申入の後2週間を経過したるに因りて終了する」(民法627条1項)と定めています。
つまり、退職を申入れてから2週間すれば、使用者の承諾がなくとも会社を辞めることができます。
2週間前って直前すぎない?
これは法律上の話で、社会通念上は違うよな。
退職の申し出を2週間前にするのは現実的じゃない。
だって、引き継ぎの期間がないので、患者さんや職場にめちゃくちゃ迷惑がかかる。
あと有給消化することもできないので、たくさん有給休暇が残っている理学療法士なら放棄することになる。
もっというなら、変な辞め方をすると悪評が広がるから、退職を願い出て2週間後に辞めるなんて絶対やらない方がいい。
職場の就業規則には「退職する場合、○○日前までに申し出ること」と記載されているはず。
退職の申し出は2週間前でも民法上はいいんだけど、社会通念上は就業規則を守る方がいいだろうね。
有期雇用の理学療法士はやむを得ない場合を除いて辞められない
ややこしいのは有期雇用の理学療法士の場合。
基本的には契約期間の途中では辞められない。
この文章をしっかり読んでみて。
雇用契約期間の定めがある場合は、原則として、使用者は契約期間の満了前には労働者を辞めさせることが出来ない反面、労働者も契約期間中は会社を辞めることができません。
民法第628条によると、雇用の期間を定めたときといえども、やむを得ない事由がある場合は、各当事者は直ちに契約を解除することができることとされています。
しかし、その事由が当事者の一方的過失によるときは、相手方に対して損害賠償に応じなければならないと定められています。
したがって、契約期間の途中で契約を打ち切ることによって、使用者が被った損害については、賠償を請求されることもあり得ます。
有期雇用の場合は、途中では辞められないってこと?
やむを得ない事由以外はね。
ここでいうやむを得ない事由とは、
- 本人が病気やケガをして働けなくなった。
- 両親や子供の看病や介護が必要で、仕事をするのが困難。
などがある。
だから「給料安いから転職します」なんてのは無理。やむを得ない事由になる人は少なそう。
先ほどの大阪労働局の文章には損害賠償の可能性にも言及してる。
ただ、このあたりも実際に損害があって、その損害を使用者(病院や介護事業所)が回避するために努力してるか、それにもよる。
使用者があなたが辞めることによって受ける損害を、回避しようと努力(人員の補充)しても、どうしても損害が出る場合には損害賠償できるってこと。
有期雇用でも使用者がOKを出せば、期間の途中でも退職できる。
あと就業規則か契約書に「退職する場合は、○○日前までに退職を申し出る」と書いてあれば、その期間を守ればおそらく大丈夫。
退職したい旨を余裕をもって伝えたり、引き継ぎをちゃんとしたり、筋を通せば職場にダメと普通はいわれないはず。
退職を認めてもらえないのは、あなたと職場の関係が悪いか、人員が少なくてもギリギリの状態で仕事を回しているときかな。
まとめ
理学療法士の退職願について解説してきたけど、なんとなくわかったんじゃないかな。
最後に今回の話のポイントをまとめておくね。
- 普通に退職する場合は、退職届ではなく退職願を出す
- 退職願は所属長に出す。
- 無期雇用か有期雇用かで、退職までの期間や扱いが変わるから注意が必要。
退職願はだいたい以上のことを守れば大丈夫。
無事退職できることを願っています。