理学療法士の開業は違法じゃない!個人事業主として開業する方法とメリット・デメリットをやさしく解説するよ

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今回は理学療法士が個人事業主として、整体院やリラクセーションサロンを開業する方法を書いていく。

もちろん法律的に問題はないし、協会から怒られることもない。

理学療法士は開業できないって思ってる人が多いけど、それは間違い。

理学療法士は開業できるし、実際に開業してる人はたくさんいる。

できないって思ってる人は、開業について勘違いしてるだけ。それさえわかれば、開業はできるし、しかも簡単。

今回は聞き慣れないかもしれないけど、個人事業主として理学療法士が開業する方法を詳しく書いていく。

個人事業主になれば、整体院でもリラクセーションサロンでもストレッチ教室でも、なんでも事業として営むことができる

開業に興味のある理学療法士や作業療法士はぜひ最後まで読んでみて。

読みすすめる前にひとつだけお願いがあります。今回は開業の記事なのですが、開業とは切っても切れないものに税金があります。

理学療法士は税金には疎いです。私もそうです。

「副収入が20万円以下なら確定申告しなくてもいい」とか、税金に関してはいろんな話を聞くと思います。

これも実は正しい場合と正しくない場合があります。

記事内容は関係省庁のホームページを参考にしましたが、省略していることや、表現があいまいな場合もあります。

税金に関しては税務署や税理士さんに聞くのがやはり適切ですので、わからないことがあれば聞くようにしましょう。

私ですか?私は税理士さんに任せっきりです^^;

税金を納めるのは誰しも楽しくないですが、納税せずに脱税者になることは避けてね。

目次

理学療法士が開業することは違法じゃない

違法、違法といわれる理学療法士の開業だが、まずひとつわかって欲しいことがある。

それは「理学療法士は開業しちゃダメ」と書かれている法律は存在しない

だから、理学療法士が開業自体が禁止されるいわれない。

そもそも「開業」とはどんな意味なのか。広辞苑には次のように書かれている。

①営業をあらたに始めること。みせびらき。
②営業をしていること。開店していること。⇔閉業。

引用)広辞苑 第六版 (普通版)

これでいうと①の意味で使うことが問題視されていると思う。

ただ「営業をあらたに始めること」なんていろいろあるよね。

たとえば、

  • 整体院
  • リラクセーションサロン(マッサージ)
  • ストレッチ教室
  • ヨガ教室
  • プライベートジム
  • カフェ
  • ラーメン屋
  • 学習塾
  • 駄菓子屋
  • 雑貨屋

などなど、営業をあたらに始めることだけにスポットを当てると、業種なんていくらでもある。

じゃあ、理学療法士がラーメン屋をあらたに始めることがダメなのかといわれれば、そうじゃないでしょ?

カフェもそう、雑貨屋もそう、駄菓子屋だって理学療法士は開業することができる。

妻ちか

何がいいたいの?

ゆういち

開業のすべてがダメじゃないとまずわかってほしい。

おそらく日本理学療法士協会のお偉い人たちが目くじら立てて怒っているのは、前半に書いた整体院やリラクセーションサロンだよね?

でも、実は整体院もリラクセーションも理学療法士が開業できる。しかも全く違法じゃない

そのあたりを次に詳しく書いていく。

理学療法士は開業できないが実はあなたが開業する方法がある

日本の理学療法士には医師のような開業権はない。

そして残念ながら将来的にも理学療法士が開業権を得ることはないと思う。

だって、これだけ医療保険や介護保険にお金が必要な時代に、新たに財源が必要になるような手を国は打たないでしょ。

妻ちか

国会議員がいてもダメ?

ゆういち

医師や看護師に比べたらまだまだ政治力は弱いね。

あと、あなたもご存知の理学療法士及び作業療法士法にも記載があるよね。

この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の
名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。

引用)厚生労働省 理学療法士及び作業療法士法

この法律がある限り、医師の指示の下や医師と連携して動くのが理学療法士。

さらに追い打ちをかけるように、日本理学療法士協会も理学療法士の開業に警鐘を鳴らしてる。

本会は過去において強く開業権を意識する時代がありましたが、学卒の会員が増えるにつれて、徐々に開業権を求める声は少なくなっていったのです。ところが平成25年の医政局の予防行為についての通知を境に、理学療法士による開業もどきの動きが強まってしまいました。

(中略)

少数の会員でも規範に反すると全体の前進の妨げになります。

引用)日本理学療法士協会 今一度、理学療法士の「開業権」を考える

協会は開業にはめちゃくちゃ否定的。だから開業なんて夢のまた夢・・・。

と、書くと開業できない気がするけど、実は理学療法士も開業できる。

ゆういち

ちょっと考えを変えれば開業は問題ない。

妻ちか

どういうこと?

ゆういち

PTとして開業するんじゃなく、個人事業主として開業する。

図にするとこんな感じ。

理学療法士として開業するのではなく個人事業主として開業するのが正解と示した画像

理学療法士の資格を保持しているあなたが、個人事業主として開業することを禁止する法律はない。

トンチみたいやけどね。

理学療法士が個人事業主で開業するには税務署に個人事業の開業届出書を提出する

個人事業主として開業するってなんかややこしそうでしょ?でもめちゃ簡単。

国税庁のホームページでダウンロードできる、個人事業の開業届出書を所轄の税務署に提出するだけ

個人事業の開業届出書はこんなやつね。

理学療法士が開業するときに提出する開業届出書のテンプレートの画像

ダウンロードは以下のリンクからできる。

これはほんまに拍子抜けするほど簡単。

妻ちか

そんなに簡単なの?

ゆういち

税務署に入ってから出てくるまで5分もかからんかった。5分で開業してもたww

この届出書を出して税務署の印鑑をもらえば、あなたもその日から開業したことになる。

妻ちか

なんかわからんけど簡単なんやね。

ゆういち

うん、めちゃくちゃ簡単。

個人事業の開業届出書の具体的な書き方は別記事で書いたので、具体的な書き方知りたい人はそちらを参考にしてね。

ここでは個人事業主になるメリット・デメリット、どんな人が開業すべきなのかを次に書くね。

理学療法士が個人事業主になるメリットとデメリット

理学療法士が個人事業主になることにはメリットだけじゃなく、もちろんデメリットもある。

それぞれ詳しくみていく。

理学療法士が個人事業主として開業したときのメリット

まずメリットはこのふたつ。

  • 税金面で控除が受けられる
  • 経費でさらにお得

個人事業主が青色申告すれば最大年間65万円の控除が受けられる

個人事業主のメリットのひとつ目は税金面で控除がある。

確定申告で青色申告すれば最大65万円の控除。

正直これは大きい。

妻ちか

控除ってことは、来年の税金が安くなるってことやんね?

ゆういち

そうやで。でも控除をもらうのがややこしいねん。

ここからの税金の話はややこしいので、この部分は読み飛ばしてもらってけっこう。

読み飛ばす人のために知っておいて欲しい要点は「65万円の控除を受けるにはいろいろややこしい要件がある」とだけ覚えといてね。

それでは難しい話。

個人事業主として確定申告をするとき、青色申告というものが選べる。(青色申告には複式簿記と簡易簿記。他には白色申告がある)

青色申告で受けられる特典については国税庁のホームページに書いてある。

青色申告者に対しては種々の特典がありますが、その一つに所得金額から最高65万円又は10万円を控除するという青色申告特別控除があります。

1 65万円の青色申告特別控除

この65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。

(1)不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。

(2)これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。

(3)(2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。

引用)国税庁 青色申告特別控除

真ん中にある正規の簿記とは、以下の通り。

「正規の簿記」とは、損益計算書と貸借対照表が導き出せる組織的な簿記の方式をいい、一般的には複式簿記をいいます。

引用)国税庁 はじめてみませんか?青色申告!

妻ちか

さっぱりわからん。

ゆういち

やろうな。でも大丈夫。オレもよくわかってない。

国としては「大きい控除受けさせたるから、ちゃんと帳簿つけて申告してやぁ」ってことだと思う。

このあたりは開業してから、ソフトなどを使って要件に見合った青色申告ができそうならやればいいと思う。

だからいまは「そんなのあるんだ」だけで大丈夫。

ちなみに、このややこしい要件を満たさなくても、簡易簿記の青色申告か白色申告すれば、10万円の控除を受けられるから損はしないよ。

事業に関わる出費は経費にできる

次が経費の話。

よくサラリーマンが居酒屋で「領収書もらえますか?」って聞いてるやつね。

妻ちか

あれ、領収書もらって何してるの?

ゆういち

図を作ったからそれで解説するわ。

この図を見て。

理学療法士と個人事業主と経費と税金の関係を示したオリジナル画像

左は病院とか介護事業所に勤務して、給与としてお金もらうイメージ。(勤め人)①

一方、右は個人事業主となって、収入を得た人のお金のイメージ。②

勤め人は、前年の年収(いわゆる額面)に対して社会保険料や税金が決まる。年収から社会保険料や税金を引いたものが手取りとなる。③

個人事業主は事業で得た売上の合計が年収にあたる。

さらに事業をするには経費が必要。八百屋なら野菜を仕入れた金額があるから、それは経費として引く。

年収(収入)から経費を引いてものが所得ね。④

理学療法士が開業したときの所得と収入と経費の計算を示した自作画像

年収にあたるものから経費を引いたものが所得で、所得から社会保険料や税金を引いたものが手取りとなる。⑤

年収が一緒なら、手取りはサラリーマンの方が多い場合が多いかも。赤の棒グラフだけ比べると勤め人の方が多いよね。

黄色の棒グラフの経費がなんで手取りの上に乗ってるかというと、これは使ったお金だから。実際には使えるお金とほぼ一緒やと思って欲しい。

八百屋の仕入れだとわかりにくので、これからは理学療法士が整体師として個人事業主になったとして考えてみよう。

今度はこの図を見て。

理学療法士が個人事業主として経費を使ったときにどれだけ税金が得するかを示した自作画像

あなたがもし整体師として整体院を開業したとしよう。もちろん理学療法士としてではなく、あくまで個人事業主として整体業を営むってことね。

左の勤め人の場合、講習会費や理学療法関連の書籍を購入する費用は、手取りのお金から支払う。⑥

一方、右の個人事業主の場合、整体業に必要なものとして講習会に参加したり、医療系の本を購入する費用は経費となる。

なので、右側の黄色の部分はさっきよりも大きくなってるよね。⑦

そうすると所得も手取りも減る。

妻ちか

所得が減ったら勤め人と一緒じゃないの?

ゆういち

それが全然違うねん。その左側を見て。

社会保険料や税金はその前年所得により算出されるので、経費が大きくなって所得が減れば、当然来年の社会保険料や税金も減る。⑧

勤め人の理学療法士と同じように講習会や書籍にお金を使っているのに、個人事業主は必要なものは経費にできるから、社会保険料や税金は減らすことができる。

だから来年度は同じ収入で、同じ額だけ経費を使っても、手取りが増えるってことね。

妻ちか

どんなものが経費になるの?

ゆういち

事業に関するものなら何でも。

たとえば整体業を営むとすれば、

  • 仕事で使うスマホ代(本体、月額費用)
  • 仕事でパソコンを使うならパソコン代
  • 仕事でカメラを使うならデジカメ
  • 整体院のホームページのサーバーやドメイン代
  • 自宅の一部を仕事場とするならその割合分の家賃やローン返済分
  • その自宅の一部で使う光熱費
  • 講習会や学会の参加費
  • 講習会や学会参加のための旅費や宿泊費
  • 書籍代
  • 整体院に必要な物品の代金(ベッド、枕、消毒用アルコール、手洗い石鹸、名刺など)
  • 仕事の打ち合わせとして利用した居酒屋やカフェ代
  • お世話になっている人への手土産代
  • 税理士さんの料金

などなど、理学療法士や作業療法士として、いままは経費じゃないけど利用してきたものも多い。

だから、理学療法士や作業療法士が開業すれば、けっこう経費にまわせるものがある。

もちろん、個人の事業と全然関係ないものは経費にならないので要注意。

居酒屋のレジで「領収書ください」っていうてるのはこのため。仕事の話をしたら居酒屋の代金だって経費になる。

必要な経費が多けば多いほど、所得は下がって社会保険料や税金は少なくなるから、うまく使えばいいと思う。

理学療法士が個人事業主として開業したときのデメリット

次にデメリットはこの2つ。

  • 経理が面倒
  • 毎年確定申告をする必要がある

個人事業主がまじめに経理をするとかなり面倒

副業程度に個人で事業をするのはいいけど、仕事を辞めて本業とする場合、経理はけっこう大変。

青色申告をして最大65万円の控除を受けようと思ったら、会計ソフトを使うか、簿記の知識を身につけないといけない。

個人事業主は毎年確定申告がしないとダメ

日々の経理だけでなく、最終的には毎年確定申告をする必要がある。

ただし、これはある程度の副収入がある人はみんなしないといけないよね。

だから、確定申告をすること自体が大変じゃなくて、青色申告や白色申告をするのがややこしい。

確定申告の時期には、個人事業主が血眼になって領収書を探したり、帳簿とにらめっこしてる。

経理とか確定申告とか、できる気がしないけど、申告しないと控除は受けられない。

ややこしいって思う人は、費用がかかるけど税理士さんに丸投げすればいい。相場は3~5万円くらいでやってくれます。

ゆういち

副業である程度所得がある人向きかな。

確定申告についてはこちらで説明しているので、詳しく知りたい人はまた読んでね。

理学療法士で給与以外に年収50万円以上があれば個人事業主として開業

個人事業主のメリットとデメリットがわかったところで、どんな理学療法士や作業場が個人事業主として開業すべきだろうか?

おおよその目安になるけど、年間50万円以上の収入があれば、個人事業主としての開業を検討すればいい。月収にすれば4、5万円。

ここで書いているのは収入。だから所得(収入から経費を引いたもの)でいうともう少し金額は低いかな。

さきにいうとくけど、他の病院や介護施設の非常勤でもらってる給与は除外ね。これは給与であって、個人の事業ではないから。

妻ちか

非常勤がダメやったら、給与以外に年間50万円以上収入がある人なんている?

ゆういち

けっこういるよ。

たとえば、講習会やセミナーで講師をしている人。月に1回講師をすれば、年収50万円は超えるでしょう。

あと整体業でもそうだし、最近流行りのインターネットビジネスやアフィリエイトもそう。

とにかく個人でやってる事業で、年間50万円以上の収入がある人は、個人事業主として開業をするメリットがあるので、検討してみよう。

まとめ

理学療法士として個人事業主として開業する方法についてお伝えしました。

開業といっても、会社や法人と違って、個人事業主の開業は本当に簡単。書類をしっかり書いて提出するだけなので悩む必要はない。

どんなメリットやデメリットがあるのかを見極めて、自分は得しそうと思えばぜひ開業してみてくださいね。

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