理学療法士が就活で見学にいったとき、給料や休日などの労働条件について細かく聞いちゃダメだと思ってない?
お金や休みのことを細々聞くと、「なんやこいつ。ややこしいなぁ」と思われて、マイナスの印象を受けることは確かにある。
そうなる可能性があるから、みんな突っ込んで労働条件について質問しないんだよね。
でもちょっと待って!それっておかしくない?
だって給料や休日などの労働条件って、あなたと雇い主である病院や介護事業所との約束事みたいなもんでしょ?
それを紙にしたのが雇用契約書。
約束がなくて働くなんて、社会人として普通はありえない。
たとえば、プロ野球選手が来季の年俸があいまいなまま契約するなんてないでしょ?
それと同じように、理学療法士も聞くべきことは聞いて、クリアになってから雇用契約を結ぶべき。
今回は理学療法士や作業療法士が就職・転職活動するときに、絶対聞いておくべきお金や勤務体系についての話。
これを聞かずして入職するな。
逆に聞けないなら、転職サイトを使って第三者に聞いてもらえ。
何も聞かずに勤め始めることは、ボーナスがもらえなくても「あなたが聞いてないから悪いよ」といわれても反論できない。
それくらい危ういこと。
- 理学療法士が就職活動時に聞くべき労働条件の項目についてわかる。
- 雇用契約書がいかに大事かわかる。
- 雇用契約期間の有無が退職時与える影響についてわかる。
全部わかる人は読まなくてもいいけど、ひとつでも気になることがあればぜひ最後まで読んでみて。
理学療法士が就職や転職の見学時に聞いておくべきこと
医療従事者って給料や労働条件に無頓着な人が本当に多い。
でも無頓着じゃ絶対ダメ。なぜなら、労働条件は自分の生活に直結するから。
就職してから「聞いてたのと違います」ってなることも多いよね。
だから、せめて入職前に思いつく問題は見学時に聞いてクリアにしておくべき。
私が転職活動で見学に行ったときに確認している項目はこちら。
- 年次昇給額はいくらか
- ボーナス(賞与)は何ヶ月分か
- 有給休暇の消化率残業代は支給されているか
- 学会・研修会への参加には補助はあるのか?
- その他支給される手当はあるのか?
それぞれ詳しく解説していくよ。
理学療法士の毎年の昇給額はいくらか?
就職時に基本給が安くても昇給額が高ければ給料は上がる。
逆に就職時に基本給が高くても、昇給額が低ければ何年働いても給料はほとんど上がらない。
最近周りの理学療法士に毎年の昇給額を聞くと、だいたい2000~3000円と答える人が多い。2000円だと同じ職場で10年働いても基本給は20000円しか増えないよね。
以前就職見学にいった病院で、毎年の昇給は500円といわれたことがある。10年働いても基本給が5000円しか上がらないなんて、本当にありえない。
それ以外にもボーナスや役職手当てが増える可能性もあるが、これでは家庭のある人はちょっと・・・、って感じやね。
昇給額については以前アンケートをとってみたので、そちらを参考にして。あまりに低すぎたらやめておこう。
理学療法士の今年度のボーナスは何ヶ月分?あと昨年はどうだった?
理学療法士として月給は大事だけど、ボーナスも大事。
何ヶ月分支給されているかは本当に気になるところ。
ただし、今年のボーナスが夏・冬合計4ヶ月だったとしても、昨年が4.5ヶ月だったらマイナスになっているということ。
そうなった原因が何かあるし、今後ボーナスはどうなりそうか見極めが重要。
だから、必ず昨年度のボーナスも聞いておく。
理学療法士の有給休暇の消化率はどれくらいは?
有給休暇を使わせてくれない病院や介護施設はまだまだ多い。
有給休暇は仕事をして得た自分の権利だから、その使用を阻止するような病院や介護施設なら就職するのは辞めた方がいい。
有給休暇を使わせないところなんてまだあるの?
まだまだ多いで。
雇用側は「有給休暇は使ってもらっています」と答えるだろうから、有給休暇の消化率を聞くのがポイント。
すぐに答えられなかったり、わからなかったら、管理が不十分。高い消化率は望めないとみなしていい。
将来的に出産を考えている女性なら、これまで産休・育休を取得した実績があるかどうかも聞いておこう。
理学療法士の残業代は支給されているのか?
残業代は本当に大事。
先日会った理学療法士は毎日22時まで病院にいるけど、残業代がつかないと話していた。
いやいや、ダメでしょ。
そういうのを許しているから、いつまで経っても理学療法士は使い勝手がいい存在になってしまう。
仕事をした分の対価は支給されないといけない。
どんな業務が残業にあたるのか(会議、実習生の指導、カンファレンスなど)、どれくらい支給されているのか、必ず聞いておこう。
理学療法士の学会・研修会参加に補助はあるのか?
学会・研修費が支払われるかも意外と大事。
学会や研修会には毎年行くことが多いから、補助金はあった方がいい。
- 年間10万円以上
-
けっこう支給してくれるんですね!100点
- 年間5~10万円
-
これだけ支給してくれたら助かります。75点
- 年間3~5万円
-
まあまあ支給してくれるんですね。60点
- 年間1~3万円
-
もうちょっと多くもらえるとありがたいです。40点
- 年間1万円
-
まあ足しにはなりますけど・・・。20点
- 年間0円
-
ちょっとくらい支給してくれたらいいのに。ケチやなぁ。0点
10万円以上支給する病院や介護事業所が実際にある。
10万円支給してくれたら年収が10万円分高いってことだから本当に助かるよね。
その他支給される手当はあるのか?
その他に支給されている手当の種類は次の通り。
- 家族手当(扶養手当、配偶者・子ども)
- 住宅手当(持ち家、賃貸)
- 資格手当
- 皆勤手当
- 通勤手当(限度額はないか、マイカー通勤の場合の駐車場代の負担など)
- 食事手当
- 休日出勤手当
- 調整手当
家族手当や住宅手当はあった方がいい。
通勤手当では電車やバス代は支給されるけど、上限を定めているところもあるので注意が必要。
あと、自転車で駅まで行った分の駐輪場代、マイカー通勤時の駐車場代、マイカー通勤時のガソリン代などがどうなるか、細かい部分も聞いておきたいところ。
理学療法士がこれから就活するなら雇用期間も要チェック
これは見学時に聞ければベストだが、入職後の雇用契約期間の話。
入職後には病院や事業所と雇用契約書にて雇用契約を交わすが、そのときの雇用期間にも注意が必要。
雇用期間ってなに?
定年までの雇用か、1年ごとの更新かって話。
これまでの理学療法士の働き方は無期雇用(=定年までの雇用、無期労働契約)が多かった。
毎年雇用契約を交わしてない人は無期雇用ね。
そしたら私は無期雇用やわ。
無期雇用の場合は、自分がよっぽど悪いことをしない限り、病院や介護事業所からクビを切られることはない。
定年退職するまで安心して働ける。
ところが最近病院や介護事業所で有期雇用(=契約期間がある、有期労働契約)が増えてる。
毎年決まった時期に雇用契約書を交わしてる人は有期雇用。
無期雇用と有期雇用でなにが変わるの?
退職の方法が違うのと、契約更新されないリスクがあることかな。
雇用契約の無期・有期により、退職時の手続きが変わる可能性がある。
2週間前までに退職する旨を申し出れば辞めることができる。
厚生労働省労働基準局監督課の資料には次のように書かれている。
あらかじめ契約期間が定められていないときは、労働者は少なくとも2週間前までに退職届を提出するなど退職の申し出をすれば、法律上はいつでも辞めることができます
法律上はそうやけど、社会通念上は2、3ヶ月前に伝えた方がいい。
契約期間中に基本的に退職することができない。
たとえば、20XX年4月1日に1年間の雇用契約を結んでいれば、来年の3月31日までは自己都合で退職できない。
ただしやむをえない事情がある場合は別。
さっきの厚生労働省の資料にもこんな文言が書かれてる。
あらかじめ契約期間の定め(有期労働契約)がある場合であっても、法律上、やむを得ない事由があるときは、労働者は、直ちに契約の解除をすることができます。
やむをえない事由ってどんなん?
健康面とか、親の介護とかかな。
若いうちは有期雇用でも問題ないが、長い目でみると歳をとっても働き続けられる無期雇用は安心。
40歳以上の場合は無期雇用の職場の方がベター。
このあたりの話は別記事で詳しく書いてるので、あとで読んでみて。
特に有期雇用の場合、途中で辞めると最悪の場合、損害賠償を請求されることもあるので必ずルールを知っておこう。
理学療法士にとって雇用契約書はなぜ大事なの?
余談になるが、雇用契約書は大事なことだから少しだけ書いておく。
自分が就職したときのことを思い返してみると、初めて勤めた病院では雇用契約書にサインをした覚えがない。
初めての就職だったので、特に何の疑問もなかったけど、いまから考えれば無茶苦茶。
次に勤めた病院でも雇用契約を結んだ記憶はない。この病院では申請すれば残業代が支払われてたし、休みもそこそこあった。
その点は良かったけど、業績が悪かったのでボーナスが2回カット(支給なし)され、「給料のことはもっと考えないといけない」と思うようになった。
雇用契約を交わしてないから、ボーナスについても文句はいえず。
ちなみにボーナスをカットされたとき、妻に報告するのはめちゃくちゃつらかった。
その経験をもとに、次に勤めた病院で初めて雇用契約を結んだ。ボーナスをカットされた経験を活かし、年俸制で残業代も支払ってもらえる契約をした。
こうして欲しい、ああして欲しいと希望を伝えたり、向こうからの提案があったり、気分はメジャーリーガー。
でも本来これが働くなら当たり前。
自分がどれくらいお金をもらえるか、勤務時間や休みの規定はどうなているのか、それを知らずに仕事するって一般の社会からすれば有り得ないことだから。
ただ医療従事者は善意で仕事が成り立ってしまっている部分が多く、雇う側からすれば使い勝手がいい。
そもそも雇用契約書がなければ業務時間が何時から何時までで、それ以降はどんな形で残業がつくのか、また休みはいつか、などなど分からないことばかり。
「上司にそういわれたら」「職場の決まりだから」と流されたらあかん。
「医療従事者たるもの患者さんのために働くのは当たり前」とよく話す理学療法士がいますが、その意見はごもっとも。
自分の勉強や学会発表の準備は仕事じゃないけど、会議で遅くなったり、実習生の指導で勤務時間を超えれば、それは明らかに残業。
根性論や精神論に訴えて、無理に慈善を煽るのは医療従事者のよくないところ。
雇用契約は入職時の話だけど、見学時に踏み込んでこのあたりも聞いておけば、後々安心できる。
理学療法士がお金のことを口にしたらダメという風潮をぶっ壊せ
病院や介護現場って何か特殊な世界だと思わない?
会社員のように営業で外を飛び回ることもないし、自分の職場以外の人と話すことはほとんない。
病院や介護施設という小さいフィールドが自分の仕事観の全てになっている。
親戚に社会保険労務士がいて、病院や介護施設の職場環境をときどき話すことがある。
タイムカードがいまだにない病院が多いこと、休日出勤しても手当てがでないこと、サービス残業が当たり前のことなどを伝えると、「そりゃ、めちゃくちゃやろ」っていわれる。
そう、めちゃくちゃ。
就業規則や給料の問題に関しては、世間の常識では有り得ないことが、病院や施設では当たり前のように起こっているとまず認識するべき。
以前、ある職場で就職見学の対応をしていて、すごく気になったことがある。
それは誰もお金のことを聞いてこないこと。
就活している立場だからというのもあるし、求人票である程度金額の想像ができてるからかもしれないけど。
それでも書かれていないこともあるし、わからないこともあるだろうから、雇用条件は細かく聞かないと。
何か「給料のことは聞いたらダメ」「お金にこだわる人と思われるとマイナス」ってみんな思っている。
でも理学療法士や作業療法士が職場を退職するときに、給料が大きなウェイトを占めることが多い。
実際、給料が安くて病院や施設を退職する人がたくさんいる。
臭いものに蓋をしようとする病院や介護施設の責任者も悪いよね。
就職見学のときにはちゃんと隠さずに話すべきなのに、内緒ごとが多い。
誰もが給料は気になるのに、お金のことは聞いたらダメっていう雰囲気を醸し出したり、聞いても答えてくれないところが多い(実際私も以前見学にいったところであった)
質問しても科長や担当者が答えてくれないような病院や介護施設は、「なんか聞かれたらまずいことでもあるの?」って疑ってしまう。
ボーナスが減り続けているとか、昇給がなかった年があるとか、有給休暇は消化させない方針だとか。
やましいことがないなら全部話してくれたいいのにね。
ダメな部分があっても、正直に話してくれる病院の方が私なら安心できる。
あとお金のことを聞くとマイナスの印象を持たれて、入職試験に受からないと思っている人もいる。
その心配も分からなくはないが、それで落とされるならその病院や施設はそこまでだったということ。
逆に、見学時に何も聞かずに後々トラブルが起こる方がよほど問題だよ。
労働条件について質問できない理学療法士は第三者に聞いてもらえばいい
ここまで長々と就職時に聞くべきことを書いてきたが、「やっぱり私には聞きにくいです・・」という人もいるかもね。
気が弱い人もいるだろうし、そこまで自分に自信がないなら給料や手当の話を出すべきじゃないって思ってるのかも。
その気持ちはわかる。
でも何度もいうけど、労働条件は絶対はっきりさせておかないとダメ。
もしあなたが聞けないんだったら、他の人に聞いてもらえばいいん。
最近ありがたいことに、理学療法士の就職先を紹介する転職サイトがあるから、そこに登録すればいい。
転職サイトに登録して、あなたが希望する条件を伝えれば、転職サイトの担当者があなたの代わりに転職先を探してくれる。
そしてあなたの希望に沿って、転職サイトの担当者が給料や休日などの条件交渉をしてくれる。
見学や面接のアポイントも転職サイトの担当者がしてくれるから本当に楽。
就職時には雇用契約書のチェックもしてもらえるし、入職後に契約時の労働条件が守られていなければ担当者が話をつけてくれる。
個人で転職活動をするとアフターフォローなんてないから、転職サイトではその点はほんまに安心。
転職サイトの登録・利用は完全無料。
自分でいろいろ交渉するのが苦手という人は、絶対使った方がいいよ。
理学療法士の転職サイトのおすすめは『PT・OT・ST WORKER』
PT・OT・ST WORKERは抱えている求人がめちゃくちゃ多いから、紹介してもらえる就職先も多いし、個人情報の保護にも力を入れてるから就活が職場にバレることもない。
今回見学時に聞いた方がいいっていうテーマだったけど、もっと他にも聞くべきことはないか、転職について質問するだけでもOK。
まずは登録して担当者に話を聞いてみよう。