理学療法士で、新卒1年目のボーナスはいくらもらえるのか気になりせんか?
特にいま現在新卒1年目のあなた!
もらったボーナスが「ちょっと少なすぎる・・・」とショックを受けていませんか?
ボーナスって上下することも珍しくないしなぁ。
最近はボーナスがでないところも増えてるし。
ボーナスにはいろいろな事情が、複雑に絡まっているのですが、新卒の理学療法士にとってはそんなことわかりません。
だから「ボーナスは○ヶ月分もらえるもの」と思っていたら、全然支給されなかった、なんてことはよくあります。
今回は新卒1年目のボーナスにまつわるあれこれについて解説します。
新卒理学療法士のボーナスは少ない
新卒理学療法士のボーナスは少ないです。もう泣けるぐらいに少ないです。
どれくらい少ないのか?
この記事を書くにあたり、いま現在は理学療法士として働いている元実習生5人に、新卒1年目の夏と冬のボーナス額を聞いてみました。
※:個人が特定されないため、具体的な病院名は伏せています。
勤務先 | 基本給 | 夏のボーナス | 冬のボーナス | 合計 |
1.老健 | 17万6千円 | 0.7ヶ月 12万3千円 |
1.3ヶ月 22万9千円 |
2ヶ月 35万2千円 |
2.クリニック | 22万円 | 0 | 0 | 0 |
3.中規模病院 | 18万5千円 | 0.5ヶ月 9万3千円 |
1ヶ月 18万5千円 |
1.5ヶ月 27万8千円 |
4.小規模病院 | 17万円 | 0.6ヶ月 10万2千円 |
1.5ヶ月 25万5千円 |
2.1ヶ月 35万7千円 |
5.総合病院 | 16万5千円 | 0.5ヶ月 8万3千円 |
2ヶ月 33万円 |
2.5ヶ月 41万3千円 |
平均 (2を除く) |
17万4千円 | 0.6ヶ月 10万円 |
1.5ヶ月 25万円 |
2ヶ月 35万円 |
これを見ると、まず特徴的なのはボーナスがないクリニックがありますね。このクリニックでは年俸制となっているため、ボーナスは支払われないとのこと。
そして支給されないクリニックを除く4つの病院・施設の1年目のボーナスの平均支給額は、夏:10万円、冬:25万円、総支給:35万円でした。
みなさんのボーナスと比べていかがでしょうか?
理学療法士の賞与の平均は64万円
新卒1年目の理学療法士のボーナスが少ないと思ったので、理学療法士や作業療法士の平均的なボーナスの額はいくらなのか調べてみました。
【2017年】
- 平均年齢 31.5歳
- 勤続年数 5.3年
- 所定内給与額(月額) 274,000円
- 年間賞与その他特別給与額 639,900円
- 平均年収 4,047,900円
2017年の厚生労働省のデータでは、理学療法士がもらっている平均の賞与額は639,900円となっています。
これって多い?
年間でみるとこんなもんかなぁ。
以前こちらのブログで「19人がぶっちゃけた!理学療法士のボーナスの平均をまとめてみた」という記事を書きました。
世間一般の理学療法士が本当に64万円もらっているかは、そちらをご覧ください。
ただ平均でみると新卒との差額は約30万円。なぜ新卒1年目の理学療法士はこれだけもらえないのか。次に詳しく書いていきます。
新卒1年目の理学療法士のボーナスが安い4つの理由
では理学療法士の新卒のボーナスが安い理由について解説していきます。
新卒理学療法士は基本給が安いからボーナスは安くなる
ボーナスは次の計算で支給されます。
ボーナス=支給月数×基本給
この公式に当てはめると、ボーナスを上げるには支給月数が増えるか、基本給が増えるしかありません。
支給月数は所属先の業績や、その人のがんばりによって変わります。これは後ほど解説します。
1年目の理学療法士の基本給は最低金額です。2年目、3年目とその職場で長く勤めていれば、昇給して基本給は増えます。
10年目や20年目の理学療法士とボーナスに差が出るのは、基本給が低いことがひとつの原因です。
ボーナスは査定期間を働くことでもらえる
ボーナスの支給には、その人を査定する査定期間が決められています。
この査定期間に新卒は入職していないため、ボーナスは必然的に少なくなります。
ボーナスは「がんばってるからご褒美をあげよう」というものやからね。
がんばっている期間があって、そのご褒美としてらえるんやね。
ボーナスの査定期間は病院や施設によって違いますが、おおよそこんな感じ。
- 6月か7月に支給にされる夏のボーナス:11月~6月の6ヶ月
- 12月に支給される冬のボーナス:5月~11月の6ヶ月
私が働いている施設では、夏のボーナスの査定期間は12月~5月で7月支給、冬のボーナスの査定期間は6~11月で12月支給となっています。
私のところは夏が11月から4月で、冬は5月10月。
このあたりは職場によるなぁ。
新卒1年目で理学療法士が入職するのはほとんどが4月1日。ですから、夏のボーナスの査定が4月までなら1ヶ月のみ、5月でも2ヶ月しか働いていません。
その他にも、ボーナスの査定期間には最低月数が定められている場合があります。
もし査定期間のうち、1ヶ月しか働いていないと、おそらく最低月数にも届かないのでボーナスの支給からは対象外となってしまいます。
全く支給しないのもあかんから、寸志という形で少しだけ支給されることが多いな。
そう考えると1年目の夏のボーナスに、寸志でもでたらOKとせなね。
ボーナスの支給月数は人によって上下する
ボーナスの計算式で書いた支給月数ですが、これは人によって上下します。
最近は人事考課といって、査定期間にどれくらいその人ががんばったのか、上司や人事担当の査定が入ります。
たとえば、
- 学会発表をした
- 体外向けのセミナーの講師をした
- 後輩の指導に尽力した
- 誰よりも単位を稼いだ
などなど、病院にとってプラスに働く成果があれば、人事考課がプラスに働き、支給月数が増えます。
ただ、新人で人事考課を大きくプラスにするのは難しいです。
このあたりでも、先輩理学療法士とボーナスに差が出てくると考えられます。
新卒理学療法士がボーナスを比較して考えるべきこと
ここまで読んでどうでしょうか?あなたのボーナスは多いですか?それとも少ないですか?
ひとつだけ考えて欲しいのは、聞いてたボーナスよりも少なかった場合です。
求人票に「賞与:前年度実績4ヶ月」と書かれていたのに、明らかに少なかったらかなり危険です。
1年目では夏が少ないから、年間の実績はわかりにくいので、先輩に聞いてみてね。
ボーナスは、人事考課のように自分のがんばり次第の部分もあるのですが、実際は所属先の実績に左右されることが多いです。
- 病院や施設全体で売り上げた落ちている。
- 人を雇いすぎて人件費がかさんでいる。
- 新しく高価な機器を導入した。
- 病院が大規模な修繕をしてお金がかかった。<
などがあれば、ボーナスは減らされる可能性が高いです。
雇用契約書に書いてなかったら、ボーナスは出しても出さなくても法律的には問題がない。
ボーナスの法律的な解釈についてこちらに詳しく書いていますので、あとでかまいませんから必ず読んでください。
求人票を見て「ボーナスが4ヶ月も支給されるなら」と就職してみたら、全然支給されないこともあります。
こういう場合はかなり危険なので、状況を見て1年目でも転職を考えた方がいい可能性もあります。
あんたもボーナス2回カットされて退職するって決めたもんなぁ。
それはいわんといてくれ。苦い思い出や。
それぞれの事情をどうとらえるか考えてみましょう。
- 新しくMRIを導入してこの歳は赤字に転落。
- しかしMRIの稼働率は好調で、病院内外から検診の予約が殺到していて、この調子ならすぐにペイできそう。
こういう場合なら、ボーナスが一時的に減っても、来年には期待ができますね。
もうひとつ例を見てみましょう。
- 新しく回復期病棟を敷地内に新設。
- 建設費はかかったが、病棟は満床に近い状態で運営し続けている。
こういうのもいいですね。次年度には経営もうまくいって、ボーナスも増えそうです。
次にこんなケースはどうでしょうか。
- 病棟の稼働率がいつも低く、患者さんの評判が悪い。
- 患者さんを呼べそうな有名な医師がいないため、今後も改善は期待できない。
なんか危なそうじゃないですか。
患者さんが「最近患者さん減ったなぁ」なんて話していたら危険なサイン。
テレビに出てくるようなスーパードクターでも来れば患者さんが増える可能性はありますが、そう簡単には来てくれません。
もうひとつ見てみましょう。
- 看護師がどんどん辞めていって、看護体制を維持できない。
- そのため人材派遣会社から高い給料で派遣してもらうが、長続きせず自転車操業が続いている。
看護師が入れ代わり立ち代わりしている病院や施設も危ないです。すぐに辞めていくので悪い評判が立ち、高い給料を出さないと看護師が来てくれなくなります。
そうなると人件費がかさむので、経営は悪化の一途をたどります。
さすがブラックな病院勤めしてきただけあってリアルやなぁ。
ほっとけ。
ボーナスが年収に占める割合は大きいです。
さきほどの理学療法士の平均ボーナス額でいうと、もしボーナスがなくなれば年収は64万円減ることになります。
ボーナスは多ければ多い方がいい。同じように仕事してて、ボーナスがもらえないともったいないでしょ?
新卒1年目でボーナスが少なくても、来年改善する兆しがあるならそのまま残って仕事をすればいいでしょう。
逆に「このままだったらやばいかも」という状況が続けば、残って仕事をしていても来年ボーナスがもらえるかわかりません。
それどころか、病院がつぶれてしまう可能性もあります。
実際私の同級生も1年目の秋に勤務していた病院が経営不振でつぶれました。
聞いたところによると、夏のボーナスはカットされていたようなので、前兆はあったんですよね。
新卒1年目で転職なんて無理って考えるかもしれませんが、実際キャリアアップ、給料アップのために転職している人もいます。
そのあたりはこちらに書いていますので、ぜひ読んでください。