今回は若手理学療法士が転職に求めるべきものについてお伝えします。
一般的に、理学療法士が転職時に求めるのは、以下のようなものが多いです。
- 給料が増えること。
- 良い上司や同僚がいる働きやすい職場
- いま興味がある治療技術を高められる環境
- 休みが増えること
- 残業や仕事量が減ること
- 職場の人数が少なくなる(or多くなる)こと
若手の理学療法士は、この中では転職時に給料や治療技術を求めることが多いです。
しかし、若手理学療法士の転職に限れば、「良い上司や同僚がいる働き続けやすい職場」を求めることが最優先すべき事項です。
もちろんお金や休みは大事です。
でも、本当はそうじゃないんですよね。
短いキャリアで転職しようとする若手の多くが、理学療法士の本当の楽しさに気づいてなかったり、上司・同僚との人間関係に悩んで辞めます。
だからこそ、良い上司に恵まれて働きやすい職場が大事だと、声を大にしていいたいのです。
今回の記事では若手理学療法士の悩みを掘り下げていきます。
また働きやすい職場の指標のひとつである離職率の解説と、普通は知ることができない離職率を知る方法についてご紹介します。
ぜひ最後まで読んでください。
若手理学療法士が転職する本当の理由
つらかった学生生活を経て、緊張した国家試験に合格してやっとたどり着いた理学療法士。
でも理学療法士としての大変さは実はここから始まります。
「先輩理学療法士のようにうまく治療ができない」
「意外と事務作業が多くて大変」
「患者さんとうまくコミュニケーションがとれずに怒らせてしまった」
「いつもバタバタして心休まるひまがない」
「なかなか仕事が覚えられずに、上司や先輩に注意ばかりされている」
あなたはこんな毎日を過ごしていませんか?
そんな日々が続くと、
「理学療法士の仕事ってもっと楽しいと思ってたのに・・・」
なんて思っちゃいますが、これは危ないサイン。
若手の多くの辞める原因は、仕事の楽しさを見いだせなかったり、それを導けない職場にあるのです。
若手理学療法士は、治療技術を伸ばしたい気持ちはもちろんありますが、そもそも最低限の業務ができていないことも多いので、そこまで治療技術が必要かといわれればそうではありません。
あと、お金のことを退職の理由にする理学療法士もいますが、本当は給料なんて二の次でいいんです。
だって、新卒や若手のうちは、まだ自宅に住んでいる人が多いですし、結婚もしていない人が多いので、給料を理由にして辞めるほど困っている人は少ないです。
仕事の楽しさが支えだった若手理学療法士時代
そういう私も新人のころはよく上司に怒られました。
上司がいわゆる「昭和のおやじ」みたいな人で、なにかあるたびに
「新人のくせに口ごたえするな」
とか、
「オレのいうことを聞いておけばいいんや」
っていわれて、この昭和のおやじの元では、理学療法士を続けていけるか不安でした。
ただ救いだったのは、理学療法士の仕事は好きだったんですよね。患者さんの人生に関われるこの仕事が。
だから、もしあなたが上司に恵まれていなかったり、楽しさが見いだせずに辞めたいなら、次の職場には良い上司や働きやすさを求めて欲しいのです。
仕事の楽しさを見いだして、理学療法士を楽しく続けることができれば、給料や治療技術は後からなんとでもなります。
理学療法士の離職率ってなに?
繰り返しになりますが、若手理学療法士が転職時には「働き続けやすい職場」を探してください。
一般的に離職率とは、次のように定義されています。
離職率(りしょくりつ)は、ある時点で仕事に就いていた労働者のうち、一定の期間(たとえば、ひと月、ないし、1年なり3年)のうちに、どれくらいがその仕事を離れたかを比率として表わす指標。
算出方法は、
- 算出する時点を決める(例:1月1日、4月1日など)
- 算出する期間を決める(例:1年、3年など。1年で算出されることが多い)
- 辞めた人数÷従業員数×100で計算する
- 労働者のうち何%が辞めたかが示される(例:100人のうち10人が辞めれば離職率10%)
となります。
さらに、離職率は
この値が極端に高ければ、労働者がその仕事に定着しにくく、入れ替わっていくことが常態化していることが含意され、逆に極端に低ければ、労働者がその仕事に定着し、転職や産業間の労働力移動が行なわれにくくなっていることが示唆される。
といわれています。
つまり離職率が高ければ、
「人の入れ替わりが早い」
⇒「すぐに辞める原因がなにかあるかも」
となりますし、逆に離職率が低ければ、
「人はあまり入れ替わらない」
⇒「長く勤められる職場」
と予想されます。
ちなみに中小企業の離職率は15%前後です。
離職率が低いということは、定着率が高いということ。
つまり「すぐには辞める理学療法士が少ない職場ですよ」ということです。
理学療法士の離職率を調べる方法
では、理学療法士が転職する病院や施設の離職率はどうやって調べればいいのでしょうか。
先にいっておきますが、病院や施設における理学療法士の離職率が、公表されていることはほぼありません。
だって離職率が低ければいいですが、高い離職率をさらせば、就職してくれなくなりますからね。
職場見学時に責任者に聞く
まず最初が職場見学にいったときに、リハビリテーション科の責任者か、見学対応してくれた人に聞く方法です。
もし離職率を聞いて嫌な顔をされたり、うやむやにされたら、高くていいにくいのかもしれませんし、そもそも離職率を把握していない可能性があります。
いずれにせよ、あまりよいサインではありませんね。
働いている友人の理学療法士に聞く
もし友人や知人が就職希望の病院や施設で働いていれば、友人や知人に離職率を聞く方法もあります。
ただし、具体的な離職率は、責任者でもない限り把握していないでしょう。
ですから、
- 「いま職場は理学療法士が何人いてる?」
- 「毎年何人くらい辞める?」
このふたつ聞けば、ある程度の離職率は予測できます。
転職サイトのキャリアアドバイザーに調べてもらう
最後はちょっと裏技ですが、転職サイトに登録してキャリアアドバイザーに聞いてもらう方法もあります。
理学療法士の転職サイトとは、文字通り「転職を支援してくれるサイト」です。
登録すればキャリアアドバイザーという担当者がついて、あなたの転職をサポートしてくれます。
キャリアアドバイザーはホテルのコンシェルジュのように、あなたの希望を聞いて転職を探したり、希望する転職先との橋渡し役となってくれます。
そのキャリアアドバイザーに離職率を調べてもらえばいいのです。
たとえばPT・OT・ST WORKERでは、定着率をもっとも大事にして仕事を紹介しています。
定着率が悪い病院や施設を紹介すると、結局すぐに辞めてしまうことになり、サービスを使う理学療法士が困ることになるからです。
もし若手理学療法士が転職するときに転職率を知りたいのであれば、
「いますぐ」ではなく将来的に転職を考えている人でも登録できます。
キャリアアドバイザーは数多くの理学療法士の転職を見てきたプロなので、自分の悩みを聞いてもらったり、転職事情を聞くだけでも参考になりますよ。