この記事では理学療法士のタトゥー問題についてお伝えします。
最近タトゥー(「入れ墨」とは表記しない。理由は後ほど)が若者の間ではやっていますよね。
これから理学療法士を目指す人の中には、ワンポイントでタトゥーを入れたい人もいるかもしれません。
そんな人の疑問はふたつあって、
「理学療法士ってタトゥーは大丈夫なの?」
「隠せるところならいいんじゃないの?」
です。
ネットで検索すると、「医療従事者ならタトゥーは絶対ダメ」とか、「学校に入学してからタトゥーがバレたら退学させられる」とか、否定的な意見が多く見られます。
ただし、ある条件を満たせば、タトゥーを入れることは問題になりません。
今回は理学療法士の学生時代や就職後の事情を踏まえ、どうしてもタトゥーを入れたい人へのアドバイスをお伝えしていきます。
最後まで読めば、理学療法士のタトゥー問題はクリアできるので、ぜひ最後までお読みください。
※すでにタトゥーが入っている人へのメッセージも最後に書いています。
理学療法士はタトゥーを入れても大丈夫?
最初にこれだけはお伝えしておきたいです。
基本的には医療従事者として働くなら、タトゥーはプラスに働くことはありません。
おしゃれだとか、恋人との思い出だとか、タトゥーにはそれぞれの想い入れがあるのでしょうが、そんなことは理学療法士という仕事には関係ありません。
なので、理学療法士の仕事を全うしたいのであれば、タトゥーは入れない方がいいです。
ただし、これからも「タトゥーをワンポイントで入れたい」と思う人はなんとなく出てくるんだろうなと思っています。
理学療法士を目指す人でどうしてもタトゥーを入れたいのであれば?
本当はおすすめしないタトゥーですが、これから理学療法士を目指す人がタトゥーを入れても問題にならずに済むにはどうすればいいのでしょうか?
答えは簡単で、絶対に見えないようにすることです。
だって誰にも見えないのであれば、問題になることはありません。
簡単にそうに思えますが、理学療法士や作業療法士(看護師もそうかもしれませんが)の場合、スーツを着て働くサラリーマンやOLと違って見えないようにするのは難しいです。
なぜ難しいのか?それは理学療法士特有の事情があるからです。
理学療法士はタトゥーを隠せない
理学療法士の学校では実技の授業でタトゥーがバレる
理学療法士の養成校時代には、触診や評価など実技の授業がたくさんあります。
そのときの格好は基本的に薄着。
私の学校では筋力検査の実技の授業では、男子は上半身裸で下半身はスパッツ、女子は上半身はタンクトップで下半身はスパッツが基本でした。
いまはここまでの薄着を強要されることはないかもしれませんが、薄着になる機会はかなりあります。
そうなると、タトゥーを隠しようがありません。
強いていえば、お尻くらいでしょうか・・・。
理学療法士の仕事は半袖なのでタトゥーがバレる
あと理学療法士として働き始めてからも、ほとんどの病院や施設ではユニフォームが半袖なので、二の腕にタトゥーを入れると隠せません。
サポーターで隠せばいいのかもしれませんが、いつもサポーターを着用しているとおかしいので、必ず突っ込まれます。
その他にも、更衣室で着替えるとき、職員旅行で温泉に入るときなど、どこかにタトゥーを隠し切ることはほぼ不可能と考えた方がいいでしょう。
医療従事者にとってタトゥーは悪でしかない
タトゥーは外国では文化や伝統、おしゃれで入れられるものかもしれませんが、日本では刺青(入れ墨)と同等の扱いを受けます。
刺青といれば、反社会勢力の人たちが入れているイメージがあるので、さきほども申し上げたように、理学療法士として働く上でどう考えてもプラスに働くことはありません。
私たちの仕事の対象となる患者さんや利用者さんは年配の人が多いので、タトゥーが刺青と違うなんてわかってくれません。
あと医療従事者は、清潔で、実直で、働き者で・・・、聖人君子のようなイメージを持たれている人が多いので、それから外れる人は悪とみなされます。
刺青でC型肝炎が発症するってのも、医療従事者にとってはイメージが悪い原因ですね。
ちなみに理学療法士は「理学療法士及び作業療法士法」という法律で資格が定義されています。
この法律を一言一句見直してみましたが、「タトゥーはダメ」とは一切書かれていません。
まあこの法律は昭和40年に制定されたものなので、タトゥーという言葉はなかったんでしょうけど・・・。
だから法律的にアウトかといわれればそうではなく、どちらかというと理学療法士という医療や福祉に関わる職業の倫理から問題になると考えます。
理学療法士になりたい人ですでにタトゥーが入っているなら?
すでに見える位置(隠せない位置)にタトゥーが入っている人は、理学療法士になりたいと本気で願うなら、タトゥーは消しましょう。
何度もいいますが、タトゥーは理学療法士にはマイナス要素でしかありません。
テレビでおなじみのストレッチトレーナーの兼子ただしさんは、理学療法士の夜間の専門学校入学を機に、左肩に入っているタトゥーを除去されました。
そのときの気持ちをブログでこうつづっています。
理学療法士の国家資格を取る際、医療従事者として不必要である、、、、とご指摘頂きまして、納得し除去する決心をしました。
新たは領域にステップアップするには必要な決断だと思ってます!
兼子さんの決意を感じますね。
あなたにも、どれだけ理学療法士になりたい気持ちがあるのか、その決意が試されますよ。
理学療法士のタトゥーで学校や病院の対応は?
さきほど理学療法士及び作業療法士法ではタトゥーに触れられていないと書きましたが、理学療法士の養成校(大学、専門学校)や、就職先となる病院や施設はどのような対応をとっているのでしょうか。
理学療法士の養成校のタトゥーへの対応
学校の募集要項に「刺青(タトゥー)を入れている人の応募はご遠慮ください」と書かれている場合があります。
タトゥーが入っていれば退学させられるかどうか、その対応は学校に委ねれると思います。
ただし、理学療法士になるために必要な実習に行かせてもらえない可能性はあるかなと。
病院や施設の実習に自分の学校の生徒を出して、タトゥーが入っていることが見つかったら実習が中止になるだけでなく、今後実習生を受け入れてもらえない可能性もあります。
そうなると学校にはかなり痛手なので、タトゥーが入っている学生を実習に出すことはないと考えます。
「実習に出られない=進級できない」となるので、事実上は進級できなくなりそうです。
ある看護師の専門学校で、タトゥーが入っているので休学処分を受けたとして、女性が裁判で処分の取り消しを求めて裁判を起こしていました。(現在係争中)
このような裁判の事例が今後増えていけば、学校の対応や学生に求められる条件(資質)もしっかり文言化されていくかもしれませんね。
理学療法士の求人でもタトゥーはダメ
もし運良くタトゥーがバレずに(問題にならずに)学生生活を終えても、今度は就職活動時に問題になります。
最近理学療法士の求人を見ていると、「タトゥー(刺青)不可」と書かれている求人票があります。
求人票にそう書かれていれば、嘘をついて就職できたとしても、その後バレたときにはクビになる可能性もありすよ。
まとめ
理学療法士のタトゥー問題についてお伝えしてきました。
くどいようですが、理学療法士にとってタトゥーは余計なものでしかありませんし、その流れは今後もおそらく変わることはないでしょう。
理学療法士になりたい、理学療法士として働いていきたいのであれば、タトゥーは入れない、この選択肢しかありません。
もし現在タトゥーが入っているのであれば、除去することをおすすめします。