「理学療法士は40代になると転職が難しくなる」
以前勤めていた職場の上司に、口酸っぱく言われていた言葉の本当の意味を今回はお伝えしていきます。
ピンときていない人もいるかもしれませんが、なぜ理学療法士の転職は40代になると厳しくなるのでしょうか?
主に以下の原因があると考えられます。
- 転職希望者が求めるものが高くなる
- 転職希望者に求められるものが高くなる
簡単にいうと、自分側の問題と雇う側の問題のふたつ。
雇う側の問題はなんとなくわかるけど、自分にも問題があるの?
そうやねん。実際には40代で転職が難しくなる原因は自分にあると思った方がいい。
しかも、それを自覚していないから余計に厄介。自覚せずに作り出してしまう40代での転職の壁とは?
気になる人はぜひ最後までお読みください。
理学療法士が40代で転職するときに求めるものは?
まずは理学療法士が40代で転職するときに求めるものについて見ていきましょう。
40代の理学療法士に見合ったいま以上の給料
まずなんといっても大きいのがこれ。お金の問題です。
40代になるとなにかと物入りで、とにかく出費がかさみます。30代よりも40代の方が、お金がめちゃくちゃ必要になってきます。
いまでも生活がカツカツって人はやばいよな。
子どもが大きくなるにつれて、学校や塾、クラブ、友達との付き合いにお金がかかるからなぁ。
塾は高いし、幼稚園のときよりも中学生の方がたくさん食べるし、スマホだって必要になってくる。そういう小さい積み重ねが重荷になっていきます。
また多くの人はここに家のローンがあるはずです。
しかも理学療法士の場合、公務員や大手企業のように年を重ねたからといって年収が大きく増えるわけではありません。
公務員や大手企業だと40代後半になれば年収600~700万円は当たり前だけど、理学療法士だと400万円後半がいいところ。
だからこそ、転職するときにはいまよりも高い給料を求めます。
理学療法士としての自分の経験を活かせる職場
40代ということは理学療法士としての経験年数はおよそ20年。
特に強みのない平凡な理学療法士でも、何かしら経験を積み重ねてきているはずです。
その経験を活かせる職場なら、自分の能力も発揮しやすいですし、何より新しいことに挑戦するよりも労力がいりません。
たとえば、整形外科のリハビリをずっと経験してきて40代で脳外科の専門病院に転職するのは、無理ではないし整形外科の経験がすべて無駄になるわけじゃないけど、全く新しい畑に飛び込むから大変。
覚えないといけないことが多いし、さらに勉強が必要になってくる。あと面接で経験をアピールしにくいってのもあります。
ですから40代の理学療法士が転職するときは、なるべく自分の経験が活かせる職場がいいのです。
体力的にきつい職場・労働条件が厳しい職場はNG
40代になると体力がけっこう落ちてきます。
運動会のPTAリレーで思いっきり転倒してるのはだいたい中年のおじさんのイメージ。
40代になってから、めちゃくちゃ体力が落ちているのを実感するよね
10年ぶりくらいに縄跳びで二重跳びしたら、1回目で大胸筋と上腕三頭筋がつった。
これは運動能力だけではなく、仕事の内容でもそうです。
たとえば病院など室内で仕事をする環境と、一日中訪問リハビリで外に出ている環境では体力の消耗度が全く違います。
真夏の訪問リハビリはほんまにきつくて、2回熱中症で倒れかけたことあります。冬も寒くてきついですし、雨が降ると悲惨です。
車で訪問リハビリに回る人はまだましだけど、自転車と原チャで回る人は本当にきつい。
気候以外にも、「週休2日ではない職場」「4週6休の職場」「お盆や年末年始も休みなしの職場」など、休みや労働条件がきつい職場もきついです。
しんどいのもあるけど、家族との時間も必要やしね。
それはすごくわかる。
40代の理学療法士でもうまく入り込める人間関係
40代で理学療法士が転職した場合、リハビリ室で下っ端になることはほぼありません。
ほとんどの場合、後輩セラピストがたくさんいる環境になるでしょう。ここで若い人に馴染めないとけっこうきつです。
理学療法士って人間相手の仕事だから、うまく立ち回れるような気もするけど、対患者さんと対スタッフの立ち回り方は違います。
さきほどお伝えした体力的なきつさ以外に、人間関係に悩むことは40代の中年にとっては避けたい問題です。
新しい職場になるとただでさえやること・覚えることが多いのに、さらに人間関係の問題を抱えるのは得策ではありません。
どちらかというと「小規模のクリニック→大病院」のようにセラピストが多い職場に変わるのはきつです。
それはなんで?
顔と名前を覚えるが大変やし、たくさんの人の性格を把握するのはもっと大変。
もちろん小規模の病院や施設に転職する方が人間関係が楽になるわけではありません。
40代になると若手との関係に悩んだり、人の目を気にして働くのは避けたいところです。
人間関係の悩みについてこちらで詳しくお伝えしています。
理学療法士が40代で転職するときに求められるものは?
一方、理学療法士が40代で転職するときに求められるものは以下の3つに集約されます。
理学療法士以前の人間性
まず最初は人間性。何よりもこれが大事です。
ベテランだと知識や技術の方が求められるけど、それよりも転職した後に問題になるのは人間性。
さきほどもお伝えしたように、40代で転職するとなると若手が多くいる環境に飛び込まなくてはなりません。
そこで若手と仲良くするのはもちろんのこと、若手の見本となるような人格がないと雇う側としてもきついです。
たしかに。でも四十路にもなっていれば、人間性は身についているじゃない?
そうとも限らんで。理学療法士は変わりもんが多いからなぁ。
プロ野球でもすごい成績は確実に残すけど、怠慢プレーが多い外国人選手を獲得するのは球団としてすごく悩むところです。成績以外の悪い面がチームに伝播することを嫌がるからです。
同じように変にプライドが高くて、行動できないベテランがいきなり職場に入ってくるのは、それ相応のリスクが伴います。
ですから雇う側としては人間的な問題にはすごく敏感になってしまいます。
理学療法士としての知識や技術
人間性以外で大きいのは40代の理学療法士に見合った知識や技術があるかどうか。
若いセラピストより高い給料を払うわけですから、知識や技術がなかったら意味がないですよね。
すごく勉強してきた理学療法士ならいいんやろうけど、中にはただ経験年数だけ積み重ねて強みがないベテランも実は多いのが現状。
若い理学療法士でも勉強熱心な人は、技術を磨いてこなかった40代の理学療法士よりも高い水準で治療することができます。
さきほどお伝えした人間性もそうですが、技術や知識面でも職場に良い刺激を与えられる人の方が雇う側としては絶対重宝します。
理学療法士としての管理能力
最後が管理能力です。これは若手にはあまり求められませんが、ベテランには必ず求められる能力です。(もちろん若手にもあるに越したことはないですが)
特に科長や主任など、役職として迎える場合いは絶対不可欠です。
スタッフの人間関係だけでなく、職場としてできるだけ保険点数を取るようなマネージメント能力も必要です。
40代の理学療法士が転職で求めるものと求められるものには乖離が起こる
ではなぜ40代の理学療法士が転職することは厳しいのでしょうか。
それは転職で40代の理学療法士が求めるものと、雇う側に求められるものに乖離が起こるからです。
ポイントは以下の2点です。
- 自分の置かれている立場はそっちのけで、まだまだ売り手市場だと思っている。
- あまり大変な環境には行きたくない。
結局、それほど能力がないのに、求めるだけ求めて自分の中で転職のハードルを上げてしまってるんですよね。
しかも厄介なことに、大変な環境には身を置きたくないくせに、できるだけ高い給料が欲しいと思っています。
自分では「条件よかったら少々しんどくても・・・」って思っているつもりでも、潜在的にはガツガツ働くのは嫌がっている気がします。
理学療法士が少ない時代ならまだしも、これだけ理学療法士が大量に溢れかえっている時代です。
よほど能力がないと自分を高く買ってもらえません。
めちゃくちゃ能力があって高く評価されている人はいくらでも声がかかるからね。
私の能力だと難しそうww
そこに、本来転職時にはアピールポイントとなる経験が足かせになって、自分で身動きがとれなくなってしまいます。
求人票を見ながら「こんなに給料が安いところは無理だ」とか、「年間休日数が少なすぎる」とか、上から目線になっている間は転職は厳しいでしょう。
まずは自分の置かれている環境をじっくり見つめ直しましょう。
経験という足かせや自分で科しているハードルを下げて、ゼロベースで考え直してみる必要がありそうです。
それでも好条件で40代の理学療法士が転職したいと思ったら?
そうはいっても40代はお金もいりますし、ちょっとでも良い条件の職場に転職したいですよね。みんなそれぞれ事情がありますし。
そいう人には転職サイトがおすすめです。
転職サイトとは世間一般では転職キャリアアドバイザーと呼ばれている、転職先を紹介してくれるサービスのことです。
登録すれば担当者が希望する条件をヒアリングしてくれて、その条件に見合う職場を探してくれます。
しかも利用は無料です。
40代になると給料のことが一番気になるでしょうから、それを正直に伝えればいいでしょう。
転職サイトを利用すれば給料は上がるの?
絶対ってわけじゃないけど、希望の年収に沿った職場を探してくれるわ。
私は40代で転職したときにお世話になったけど、給料交渉もしてくれたし、ほんまに助かりました。
もし希望する職場が見つかって「もう少し給料がよければ」と思ったら、担当者に給料交渉をしてもらうことも可能です。
医療人ってお金のことを口にするのがタブーな雰囲気がありますよね。
だったら転職サイトの担当者に代わりにやってもらえばいいんです。
40代の理学療法士って想像以上に良い条件で転職するのが厳しいです。
もし転職活動をしても良い条件が見つからなければ、以前私が利用したPT・OT・ST WORKERをぜひ利用してみてください。
転職先を探すところから、見学・面接のアポイントメントまでやってくれるので、本当に転職活動が楽です。
いまはすぐに転職する気がない人でも大丈夫ですし、相談だけでもOKです。
40代の転職を有利に進めたいならぜひ利用してみてください。
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